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何時もながらミーシャの料理は美味い…母さんが死んでから家事を一手に引き受けたので此処まで上達した…ミーシャを嫁にする奴は幸せ者だな。
「ごちそうさん」
「はーい、お粗末さま!」
食事を終えるとミーシャは食器を洗う。
俺は部屋から一緒に持ってきていたカバンを手に取り、机の上に置いてあった刃が20センチ程ある直刀を手に取る。
銘は風斬車(かざぐるま)…俺の愛刀で、鍔にはリングが通されている。
特殊な魔力を秘めており、斬撃を風に乗せて遠くに飛ばすといった芸当が出来る。
僅かに抜いてギラリと刃が輝いたのを見ると、腰のベルトに鞘ごと取り付けた。
「行くぞミーシャ」
俺が呼びかけると、洗い物を終えたミーシャはカバンを持って此方に走ってくる。
「じゃあ行ってくるねお父さん!」
「…ああ、気をつけてな」
父さんの言葉を背に受けて、俺とミーシャは通っている魔法学園に向かって足を進めた。
地面は石畳で作られており、周りは石造り、木造、レンガ造りと様々な建築物があり、文明レベルは中世ヨーロッパレベルだ。
出店を開き、リンゴに似た果実を売る人や、見た目がグロい魚を売る人。
子供達はまだ朝が早いと言うのに友人を集めて遊ぼうとしている。
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