プロローグ

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何故そんな転移式を使わなくてはならないのかと言うと、世界各国から生徒が集まる学園だからだ。 それならば世界各地にそれぞれ学園を建てればいいといった意見もあったのだが、それは初期コストが莫大にかかるのでこうなった。 費用は人間王連盟と神王と魔王が共同で出したらしい。 更には、異種族のとの交流を深めるには一箇所で学ばせるのが一番との判断もあったらしい。 ぶっちゃけ二百年以上前の事だから歴史書に書いてある事位しか知らんし。 「相変わらずおっきな建物だよね、ギルドって」 横で色々喋っているミーシャの言葉を聞き流しながらギルドの中に入ると、中は人々で溢れかえっていた。 前後左右何処を見ても人や魔族や天族が目に付く。 重そうな鎧を身に纏い巨大な剣を背負っている者もいればローブを羽織り杖を持っている者もおり、様々な戦い方をする人々が集まって来ている。 転移するには転移室に行かなくてはならないので、人々の隙間をぐいぐいと押しのけながら進んでいく。 「ま、待ってよお兄ちゃ~ん!」 だがミーシャのか細い腕では屈強なギルドメンバーを押しのける事は難しかったらしく、俺と距離が開いていく。 仕方が無い…戻るのは面倒だが妹を放って学園に行くほど俺も性根は腐っていない。
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