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「じっじじ実は……、わわわわ私、死んじゃって……ですね。
気付いたらこの町に居たんで……ヒィッ!?」
やばい、この男の細められた目の奥が、光ってるぅぅぅ!
怖い! 猛烈に怖い!
それは睨むっていうより、目で私のこと殺そうとしてるよね? そうだよね?
「うっ、ううう嘘じゃないんですよ!?
私、ほんとに死んで! 死んだな~と思いながら目を開けたら京に居まして!
知らないオバサンに保護されてて!
決して嘘じゃないんですよォ! だから殺さないでぇぇぇぇ!」
あまりにも視線が痛くて、ビビりまくった私は早口で事を話したけど、男はまったく睨むのをやめてくれない。
こ、これは……死亡フラグぅぅううう!?
分かる。分かるよイケメン!
死んだのに生きてるじゃん! って思ってるのは分かるんだよ!
死んでないじゃん! って思ってるんでしょ?
嘘だろ! って思う気持ちも分かるんだけど!
だけど! これは私にも分からぬ真実なわけで!
嘘は言ってないんだァァアアア!
「五月蝿ぇやつだなァ。
テメェ……、二条の知り合いか? 二条に使わされてんのか?」
「……は?二条ってなんすか? 誰ですかね?」
嘘ついてんじゃねぇぇぇ! と言われると思ったのに、知らない人間の名前言われたんだけど……?
二条って何?
私をここに導いた人とか?
神様みたいな人って……名前があるの?
「チッ……本当に知らねぇのか?」
舌打ちつきで再び確認されて、頷いて返すと……イケメンは、腕を組んで私から目を逸らした。
……二条って……誰なのよ?
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