二匹目

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   謎の二条さんと知り合いでないと信じてくれたのかは分からない。  だけど、射るように私を見ていたイケメンの目は逸らされ、下へ落ち。  一つ息を放った後に再び私に視点が合わされた。 「お前、死ぬ前はどこに居たんだ?」 「あっ、えっ……? 死んだの信じてくれたんですか?」  意外な質問に、私が驚かされた。  ちゃんと、死んだことを前提にイケメンは話を振ってきたし……もしかして、本当に死んだことを信じてくれてる?  だとしたら、やっぱここ、死後の世界なのかな……?  やけに順応性がありすぎて、ビックリなんだけど。 「信じたくねぇが、嘘じゃねぇんだろ? テメェがさっきデケェ声で言ったんじゃねぇか」 「うっ、嘘なんかじゃないです! 私、本当に……死んじゃって、気付いたら京に居て……」  やっぱり、本当に信じてくれてるんじゃないかと思って、少し肩の力が抜けた。  本来なら、こんなこと信じないよ。  自分で言っちゃうのも変だけど……急に来た転校生が未来から来たって言いだしたようなもんでしょ?  もしその状況なら、私間違いなく笑い飛ばして信じないし……。  なのに、イケメンたら真面目な顔で信じてるような言い方するし……もっと、怪しまれたり、嘘だって言われる予想を良い意味で裏切ってくれた。  やっぱり死後の世界なの? 「で、死ぬ前はどこに居たんだ?」  ワケわかんないけど、痛みがあるんだ。死後の世界じゃないってことにして……この人なら、何を言っても信じてくれるのかもしれないよね?  死んだことを前提に話してくれるような人だよ?  未来から来たって言っても……信じてくれるかもしれない。  一度大きく息を吸って、イケメンの怖い目をしっかりと見た。 「ここから、だいたい200年くらい経った時代に居ました」     
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