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「…………」
イケメンは口を閉じて、イケメンを台無しにする程に眉間に皺を寄せた。
その皺に、信じられないって言われてるようにも感じる。
「信じられないかもしれないですけど。ここが死後の町とかじゃなかったら……私、この時代から200年かな……?
そのくらい先の未来で私は死んで、気付いたら京に居たんです」
はっきりと200年かどうかは、分からなかった。
だけど、だいたいそのくらいだろう、って決めつけて。
どうにか信じてもらえるように、必死に言葉を紡いでみる。
「……200年先……か」
深い溜め息と共にイケメンから吐かれた呟きは、信じてくれたのかどうか分からないだけに期待してしまう。
「……証拠……つったら証拠を見せれんのか?」
「えっ……? 証拠ですか?」
証拠。
未来から来た証拠……証拠……?
果たして、これは証拠になるのかな……?
「ここだけの話ですけど……土方副長って俳句してるんですよ。
豊玉……だったかな?
その俳句の出来が、200年後では……あんま誉められては無いんですけどねぇ。意外に知られてるっていうか……え……あれ……」
内緒話をするように小さい声でイケメンに言うと、何故かイケメンの目がクワァ! と見開き、またまた目に光が宿った気がした。
いや気がしたんじゃなく、宿ってるぅぅううう!?
更に、額には青筋が浮かんでて……。
なーんか、何かが終わったような気がするんだけど……?
気のせい……だよね?
「あっ、あああああの! ななな何か……私いけないこと言いましたかね?
土方って人の話なんですけど……」
もしや、土方の俳句のファン?
だから侮辱されて怒ってたりするの?
「……俺が土方だ」
「あっ……あなたが土方さんでしたか…………って、うええぇぇえええっっ!?」
本人ここに居たよオイィィイイイ!!
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