二匹目

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   辿り着いたタイムスリップというフラグの可能性。  最近マイブームだった現代っ子が幕末に行く設定の携帯小説を読みすぎた結果、頭に閃いたわけだけど……まさかね~、と心の内で一度否定してみる。  だけど、風景を見れば明らかに私の生きていた町並みではなくて、違和感だらけ。  おかしいよ、電信柱とか電線見当たらないし……てゆうか、部屋に電化製品見当たらないし、 今ま寝ていた布団にしたって、今どきこんな布団ないよ~ってくらい薄くて、枕は硬い。  私を心配するオバサンは、髪の毛結ってるし……てか、開いた障子の向こうに歩いてる人たち皆、髪の毛おかしいってば。  男の人には髷あるし、女の人は皆一様に髪の毛結ってるし……。  私の脳内には、やはりタイムスリップというフラグがしっかり立っていた。  仮にこれがタイムスリップだとして、私の好きな携帯小説みたいに幕末へ飛んでいたら……そう思うと自然に頬が緩む。  昔から……新撰組が大好きだった。なんて言えません。  正直に言います。 最近のブームが新撰組だっただけで、 携帯小説で、たまったま読んだ新撰組の小説が面白くて……ハマったんだよね。  主人公がタイムスリップして幕末に行って、そこで新撰組の隊士から愛されまくるっていう幕末タイムスリップものでは王道小説!!  最後は、涙無しには読めない作品がめちゃくちゃ多くて……ティッシュを鼻に詰めながら泣いたよお~!!  それで好きになったわけだ、新撰組を!!  特に!!沖田総司っ!!  やっぱり、天才剣士という響きと、読んでいた小説のキャラがもろタイプなのもあって、沖田総司が私の推しメン。  まぁ私のマイブームについては、この辺で一旦やめるとして。  今の状況を言うとしよう……  オバサンに今が何年なのか聞いてみた。  返ってきた返事は…… 「文久三年」とのこと。 「うふふっ」 「うふふふふふふふっっ」  私、春日仁菜(かすが にな)は、タイムスリップフラグを回収しました。      
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