浅葱色

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  「剣術ができるって言える人は、実力が伴っているから言えるんです。謙遜しなくても大丈夫ですよ?」  謙遜じゃないっ! 「いやぁ~……ほんとに出来ないに等しいんで、無理ですよ……」  えへへっと苦笑しながら言い、困ったちゃんを演じて緊急回避を試みた。  だがしかーし! 「そんなこと言って、実は僕より強いのかもなァ~。 あの人は……強かったし、同じ男装だったし……。 女中さん、手合わせしましょうね?」  グイッと手を掴まれて道場内に無理矢理……入らされたぁ!? 「あっ……沖田君」  困惑顔で私を引き留めようと言葉を発する源さん。  手を中途半端に伸ばす源さんは、引き留める気ゼロなんじゃん  こ、これはヤバイ!  あの人と同じにされちゃ困るんだけど!?  というか! あの人って誰!?  どの人!? 強い女が居たってことなの!?    
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