浅葱色

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   スマートボーイは、メガネかけたらいかにも優等生だなってくらいにキリリとした堅い表情で、ピシッと背筋が伸びている。  甘い香りよりも、清楚な香りが漂いそうな整ったお顔は、まちがいなく就活でも好評を得れる!!って思うくらいの清廉さを醸し出していて、美しい……彫刻ですか? 「方言……?」  首を傾げて、沖田がスマートボーイに聞き返した。  くうう! やっぱり沖田がイチバンだ!  絶妙な首の傾け具合! 声も、どストライクー!  ……てさ、やっぱり私の言葉は方言ってことになってるんだね。  土方がスマートボーイに言ったんだろうな~、方言がひどいとかって。  ぷっ……方言じゃないんたけどね~。 「あぁ、方言だ。変な言葉でないと分かったのだから、総司は稽古に戻れ。 源さん、副長が通常隊務に戻るようにと。俺が案内を変わります」 「交代なんだね、分かった。 あっ! 彼女ね、厠に行きたいらしいから、連れて行ってあげてほしいんだ」  源さんはスマートボーイに言いながら私をチラリと見る。  あっ……そうだそうだ。  私、厠に行きたい人って設定だったや。 「わかりました。では、行きましょう」 私を見下ろし、スマートボーイは源さんや沖田に軽く頭を下げて歩きだした。  私は、厠に行きたくないんだけど……ここに居るわけにもいかず、スマートボーイと同じように二人に軽く会釈する。  何かと色々なイメージ回復のために、笑顔でねっ!     
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