浅葱色

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   今日二度目の沖田は、どこか不機嫌そうだけど、私は沖田の不機嫌な顔もどストライク!  バーンと心臓を撃ち抜かれてますよー! 「……行こうか」  私から視線を外して斉藤に言った沖田。  それを聞いて斉藤は静かに頷いて返している。 「行ってらっしゃぁい」  またしても腕に抱いていた猫の手を無理矢理上げてバイバイさせる藤堂は、完璧なゆるキャラ決定だよ。  なんというか……可愛い。  小さく会釈して藤堂の前を通過しながら、私は二人の後をついて行く。  新撰組の屯所へ来た時は、新撰組に会うことしか考えて無かったから、町をよく見ていない。  京見物もできるだろう今からの時間が、すっごい楽しみで、私の頬は自然と緩む。  ましてや、イケメン二人を連れて歩く私は……かなりの幸せ者だ。  これぞ、両手に華。 「土方さんは、着物以外に必要な物も買えって言ってましたけど、何が必要なんでしょう?」  ルンルン気分で歩く私は、前を歩く二人に話しかける。 「…………」 「……何が必要か、自身で判断すれば良い」  ありゃ、沖田きゅんは無視だ……。  しかも、冷たい気がするのは気のせい?  私が判断すれば良いって言われても、私はこの時代を知らないわけで、何が必要か分からない。  何がこの時代にあって、何がこの時代に無いかも分からないから聞いたんだけど……。  もしかすると、私の事情を知らないかもしれない二人には、言えないし……通じないよね。  とりあえず思いつく限り買えば良いか。  なんて暢気に考えるのは土方のお金だからです。  私のお金じゃないから、存分に甘えちゃお~。    
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