314人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
私の扱いが雑というか、冷たいと感じたのは……気のせいなのか。
あの後、着物を買いにお店に入った時、友達とワイワイするような楽しい雰囲気では無くて、「早くしてください」とやけに沖田から急かされた。
買い物し終えて、屯所に戻ってくると、沖田はさっさとどっかに行っちゃうし、スマートボーイ斉藤は無口だし……。
土方は……、
「テメっ! 幾ら遣ってんだド阿呆っ! お前の給金からしょっぴくからな! 暫くは給金出ないぞ!」
ケチくさいこと言って、怒った。
相変わらず怖い顔をして怒る土方に、私はビビるし凹みまくり。
お金の価値が……わかんないんだもん! 単位が円じゃないんだもん!
でもね、それだけじゃないのは分かってるんだよ。
第一印象が、よく無かったことが……色々と影響してるんだと思うの。
突然押し掛けて、女中にしてくれただけでも有り難いから、ちょっと冷たくされたところで弱音は吐けない。
だからって、なんか冷たすぎるんだよなー……沖田様。
剣術できるって言った時は笑顔で話してくれたのにさ、買い物行く時から全く笑ってくれないし。
一目惚れした私からしたら、ちょっとでも仲良くなりたいのに……突破口が見当たらない。
「どうしたら良いですかね、源さん」
「えっ、何が?」
「…………いえ、独り言です」
最初のコメントを投稿しよう!