浅葱色

31/42

314人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
   私の扱いが雑というか、冷たいと感じたのは……気のせいなのか。  あの後、着物を買いにお店に入った時、友達とワイワイするような楽しい雰囲気では無くて、「早くしてください」とやけに沖田から急かされた。  買い物し終えて、屯所に戻ってくると、沖田はさっさとどっかに行っちゃうし、スマートボーイ斉藤は無口だし……。  土方は……、 「テメっ! 幾ら遣ってんだド阿呆っ! お前の給金からしょっぴくからな! 暫くは給金出ないぞ!」  ケチくさいこと言って、怒った。  相変わらず怖い顔をして怒る土方に、私はビビるし凹みまくり。  お金の価値が……わかんないんだもん! 単位が円じゃないんだもん!  でもね、それだけじゃないのは分かってるんだよ。  第一印象が、よく無かったことが……色々と影響してるんだと思うの。  突然押し掛けて、女中にしてくれただけでも有り難いから、ちょっと冷たくされたところで弱音は吐けない。  だからって、なんか冷たすぎるんだよなー……沖田様。  剣術できるって言った時は笑顔で話してくれたのにさ、買い物行く時から全く笑ってくれないし。  一目惚れした私からしたら、ちょっとでも仲良くなりたいのに……突破口が見当たらない。 「どうしたら良いですかね、源さん」 「えっ、何が?」 「…………いえ、独り言です」     
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

314人が本棚に入れています
本棚に追加