浅葱色

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   夕飯の準備をしながら、源さんは厳つい顔を更に厳つくして真剣に仕込み下準備をしている。  私は、せっせと大根を切りながら……ずっと沖田が冷たいことに悩んでいた。  更に、私に憑いてるかも気になってるんだけど……あの後、斉藤と沖田は世間話で盛り上がってたし、聞けなかったんだよね。  コミュニケーションて難しい。今までこんなこと無かったから尚更。 「春日、ちょっといいか?」  急に呼ばれて、意識が現実に戻る。  振り返ると、斉藤が相変わらず真面目な顔で立ってて、私は首を傾げた。 「どうしたんですか?」 「局長が帰って来た。春日はまだ局長に会っていないだろう?」  局長……か。  世話になるからには、挨拶をしろってことか。  そういや会ってなかったし、気づかなかった。  局長と言えば近藤 勇。  この人が新撰組をまとめていて、一番偉い人だ。  粗相できない。  バイトでも学校でも、上に立つ人間に嫌われたら終わりだ。  クビってなったら困るのは私だし、ちょっと緊張する。 「行っておいで。後は、私が済ませておくから」  優しい声で、顔の厳つい源さんに言われて、私は小さく頷いた。  私は、店先で着付けてもらった淡いピンクの着物を着ている。  きっと、第一印象が悪いってことは無いだろう。  それでも気にしちゃうのは、散々変な子扱いされたから。  軽くトラウマになってるんだよね。     
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