二匹目

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  ーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーー  やってしまった……。  猛烈な後悔に襲われております。  マイブームであった新撰組。  小説だったら王道の女中っていうものに志願したところ……縄で捕縛されました。  アレ? 何で? ってなったよ。  律儀に門前で膝をついて女中にしてくれって頼んだのに……。  かなり腰低くお願いしたつもりなのに、門番さんの冷たい視線と共に、お縄です。  そこに現れたイケメンは、切れ長の目の中にダークな怖い何かをギロリと私にむけてくるし、縄をギュウギュウに縛りやがった新撰組隊士の人たちは、犬の散歩のように縄を引っ張るし……。  まぁいい……そこまでは良い。  何故なら、今……かつてない壁にぶつかっているから。  こっちのが重要だ。  どこから来ましたか? と聞かれたら、未来から来ました! と言えば良いが。  こんなレアなことって、信じてくれるのだろうか……?  有り得ない、嘘吐くなって一蹴されて斬られたら……どうなる?  ジ エンド……じゃないですか?  だって、他に言いようがないもん!  タイムスリップフラグに調子乗って、勢いのまま来てしまったことを猛烈に後悔しても……今更だよね~。  夢なら良いのに……って、思ったけど、体に食い込む縄が痛くて夢で無いと分かる。  どうすりゃ良い? どうしたら良いんだろ?  夢のような現実。  信じてくれるんだろうか……?  私が、未来から来たって。      
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