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「なぁ、今弓道やらないかって言ったのか?」
健吾が佐々木さんに問いかけてみる。
すると、顔を下に向けた小さく頷く佐々木。
どうやら健吾には聞こえてたみたいだな。
俺は佐々木さんが声を張り上げた事に衝撃を受けて完全に聞き漏らしてたよ。
「だってさ。どうすんだ?」
「へ? 俺?」
健吾は俺に話を振ってくるが、どうして俺なんだろう。
「だって俺はバイトするつもりだし。俊太、さっき部活どうするか悩んでたじゃん。」
まあ、確かに。
でも弓道か……どんなスポーツなのか想像もつかねえ。
ゲームで出てくる弓矢位しか知らないからな。
やってみたい気持ちもある。てか、やってみたい気持ちの方が強い。
単なる好奇心かもしれないけど。
俺の返事を待っているのか、佐々木さんはチラッと俺の顔を見てはすぐ下を向く、という動作を繰り返している。
「えっとさ、佐々木さん。まだ入部するかは決められないから、弓道部の見学に行っていいかな?」
それでどんな部なのかちゃんと見極めて、きちんと判断しよう。
「ふぇ…………あぁ!」
俺の言葉に佐々木さんは、ぱぁ!と一気に笑顔になった。
マジで可愛すぎるだろう。佐々木さん。
あんたは天使か。
身長が俺の顎の辺りくらいまでしかない佐々木さん。
簡単に頭を撫でられそうだな。
そして隣でニヤついてる健吾は後で鉄拳制裁入れとくことにしよう。
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