いざ弓道部へ! いくぜ、俺のターン!

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突然予期せぬ行動をした健吾にクラス中の視線が集まる。 それは“こいつなら何かやってくれるだろう”という期待の眼差しがほとんどである。 それに気づいた俺は、真剣な表情で一人頷き、 大丈夫。こいつなら上手いことやってくれるはずだ。 という視線を皆同様、健吾に送り続けていた。 クラスメイト達の期待を肩に背負っているとは微塵も思っていない健吾は、息を一度吸うと、 「ドゥーユーライクカツラ?」 至って真剣な表情で彼は英語教師に尋ねた。 教室が静寂に包まれる中、パキッというチョークが折れる音だけが妙に響いた。 「片山……貴様今なんて言った?」 わなわなと震える拳。ひくひくと動く口端。 一目見ただけでブチ切れているのがわかる。 余談にもならないが、英語の先生はハゲである。 本人は知らないだろうが、クラスのやつは皆ハゲセンって呼んでる。本当の名前は忘れた。 その後健吾は再度、英語で「貴方はかつらなのですか?」と尋ねたのち、英語教師から鉄拳制裁を加えられた。 真剣な表情を最後まで貫き通した彼の姿は“英雄”として明日のHRまで語り継がれることだろう。 廊下からすすり泣く声が聞こえるが、幻聴だと決めつけ、その後の授業は滞りなく進んだ。
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