出会いは最悪

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まさか専務が秘書の仕事内容を教えてくれるとは思わなかった。 専務のレクチャーはとても丁寧で分かりやすい。 って何私ってば真剣に聞いちゃってるんだろう。すごく気が重いです。 なんで私なのか?の問いにはっきりした答えも聞けず…というか簡単にあしらわれたような…。 専務は笑顔だったんだけど、私に断れないような空気を作ってたし。メガネの奥の瞳が笑ってなかったよ…。 「相沢さん?聞いてますか?」 「は、はい!」 ふぅ…と一息つく専務。 「そろそろお昼なので、午前はここまで。また午後から続きを教えます。ここに来ていてください」 「はい、わかりました」 書類やノートを一旦片付けて、専務にあいさつして部屋を後にした。 エレベーターの中、私は深く重くため息をつく。 「はぁぁぁ…」 誰か助けて。 25歳になってまさか自分が社長の秘書を任されるなんて…。 今思えば、秘書検定をとっていたんだった。履歴書見て私を選んだのかな?でも社長の秘書だもん、他にやりたい人なんていくらでもいたでしょう? …わからない。 頭の中がごちゃごちゃしすぎだ。とりあえずお腹すいたし、お昼にしなきゃ。
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