出会いは最悪

3/9
前へ
/39ページ
次へ
いつもお昼は幸恵と社員食堂ですませていた。 幸恵を探してみるけど、まだ来てないみたい。 今日はとんかつ定食。 箸をとるが、油っこいせいか食が進まない。お腹すいてるんだけどね。 「な~る~!」 呼ばれて振り返ると幸恵がやってきた。 「んで、何だったの?」 私は暗いまま。 「社長の秘書をやれだって」 幸恵はすぐ不思議そうな表情を見せてきた。 「は?何それ?」 「聞きたいのはこっちだよ~」 「ふぅ~ん…」 「なんかあっさりした返事じゃない?予想外じゃなかった?」 「…まぁね。んで、何?なるはその話受けたわけ?」 「専務、断る隙がないんだもん」 ああ、今にも涙がこぼれ落ちそう。 「いいじゃない、社長の秘書!うらやましすぎるわ~!」 「やめてよ。全然良くないし…」 「社長かなりのイケメンなんだよ!それに秘書だなんて…ちょっと憧れちゃわない?」 幸恵ってば、楽しそうに笑ってる…。 やっと仕事内容も把握してきて、後輩もできてきてたのに。また一から新しく覚えていかなきゃいけない身にもなってってば。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33639人が本棚に入れています
本棚に追加