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いつもお昼は幸恵と社員食堂ですませていた。
幸恵を探してみるけど、まだ来てないみたい。
今日はとんかつ定食。
箸をとるが、油っこいせいか食が進まない。お腹すいてるんだけどね。
「な~る~!」
呼ばれて振り返ると幸恵がやってきた。
「んで、何だったの?」
私は暗いまま。
「社長の秘書をやれだって」
幸恵はすぐ不思議そうな表情を見せてきた。
「は?何それ?」
「聞きたいのはこっちだよ~」
「ふぅ~ん…」
「なんかあっさりした返事じゃない?予想外じゃなかった?」
「…まぁね。んで、何?なるはその話受けたわけ?」
「専務、断る隙がないんだもん」
ああ、今にも涙がこぼれ落ちそう。
「いいじゃない、社長の秘書!うらやましすぎるわ~!」
「やめてよ。全然良くないし…」
「社長かなりのイケメンなんだよ!それに秘書だなんて…ちょっと憧れちゃわない?」
幸恵ってば、楽しそうに笑ってる…。
やっと仕事内容も把握してきて、後輩もできてきてたのに。また一から新しく覚えていかなきゃいけない身にもなってってば。
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