秘書と野獣

なんで私？

私、只今彼氏とお家デート中。

彼氏である南涼太（ﾐﾅﾐﾘｮｳﾀ26歳）は大学のときのひとつ上の先輩。

私が入学したばかりのころ、彼がテニスのサークルに入らないかと声をかけてきてくれたのが始まりだった。

どちらかというと体育会系。スポーツ大好きで、優しさのある人。

一目見て、心奪われた。つまり、一目惚れ。

いつも週末はどちらかの部屋にお泊まりして、ゆっくりすごしたりお出かけしたり。

今日は私の部屋。

「そろそろ帰るよ」

「うん。気をつけてね。また来週」

「おう。メールするから」

そう言って優しく唇を重ね、ニコッと微笑んで玄関のドアを開けて帰っていった。

今日は涼太とゆっくり休めたし、明日からまた仕事がんばろう。

これから会社で何が起こるかもわからず、彼氏と一緒に過ごした余韻に浸りながら、ご機嫌ににやけている私だった。