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営業課に用事があって行ったときも、社長がきてるって回りはざわついてるのに、まったく興味がないのか俺を見向きもしない。
しまいには、街中で男と仲良く手を繋いで歩いてるとこを、この俺が見付けてしまう…。
少しは俺の存在に気付けよ!って言ってやりたくなった。
そう。今回あいつを秘書にすると決めたのは俺だ。
片桐に話をしたときは反対された。
「社長。職権乱用です」
「いいんだ。俺が決める。あいつにやらせろ」
「大人げないですよ。別に、気にしなければいいだけの話です。だいたい、なぜ秘書にしなければならないのかわからない」
「何回も続いてみろ!腹が立つ。…秘書が一番俺に近い。あいつにやらせる。もう決めた」
ふぅ…とため息をつく片桐。
「わかりました。声かけてみます」
「あいつに俺のことは何も説明しなくていい。あいつから俺を見なきゃ意味がない」
片桐は少々あきれている。
「まったく。仕事に関してはとても尊敬できるのに…。どうも子供染みたことをする…何とかならないもんですかね…」
何やら片桐はブツブツしゃべっていたが、俺は聞こえないフリをした。
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