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コンコン。
「はい」
「私です。相沢です」
「…入れ」
「はい。失礼します」
ドアを開けて中に入る。
社長は、部屋の一番奥にある自分のデスクに座り、書類に目をむけたままでいた。
「お忙しいのに、すいません。あの、…社長。…お腹すきませんか?」
その言葉に社長は顔上げて私を見た。
目が合うと、私の心臓は一気にはやくなるのがわかった。
「お茶菓子、なんですけど、…もしよかったら、あの、置いておきますので…」
社長室も専務の部屋と同じように、ソファーとテーブルが並べられている。
そこへ置こうとした。
緊張で手が少し震えちゃう。
「なる。こっちに持ってきて」
………え!?
今、私の名前呼んだ?
思わず立ち止まって社長を見つめた。
「どした?聞こえなかったか?」
「い、いえ!持っていきます」
心臓の音が耳元でなってるんじゃないかと思えるぐらい、ドキドキしてる。
「失礼します」
社長の隣にまわり、デスクの上にお茶菓子と緑茶を置いた。
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