紫陽花通りと君と僕と

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病院へ向かう道の紫陽花が その日も雨に濡れていて綺麗だった事と 君に繋がった機械から聞こえる 鳴りやまない一本調子の甲高い電子音 それだけは今でも覚えている 君がいなくなった世界がなくなるのが嫌だから 僕は頑なに変化を拒んだ 無理な事だとわかっていたけど そうせずにはいられなかった けど変わるんだ 変わりたくないけど変わる世界 一秒一秒変わる世界 やめて やめてと 何度も叫び 嘘だ 嘘だと 何度も吠えた 君の事を思い出したいのに 君の笑顔を思い出したいのに 君の顔が思い出せない 君がいた病院に続く紫陽花通り 『私が元気になったら一緒に見に行こうね』 叶わなかった君との約束 もしもう一度君に逢えるのなら… 紫陽花通りを傘もささずに歩いていく 着物姿の女が僕に差し出す 紫陽花色の手紙 君からの手紙涙が出た 『たまに思い出して、元気って言ってくれたら充分。辛い顔より、笑顔がみたい』 モノクロだった僕の世界 今あざやかさを取り戻した 別れなんていつくるかわからない 新しい世界 君がいない世界 でも君と僕は 見えない力でちゃんと繋がっている 大丈夫 僕はもう逃げない だって僕は気づいたから 君が見てくれていると だから君に言いたい事がある 僕は元気です
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