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夜の町を徘徊し、人を襲っては食す。そんな日々を意識することなく送ってきた。
だが、今の僕は意識せざる終えなかった。以前の僕には感情というものが欠落していた。なんせ、ゾンビですから。
そんな僕が変わり始めたきっかけは、ある人に出会ったことから始まる。
彼女は錬金術師だった。いつものように夜の町を徘徊していた僕。だが、いつもとは明らかに違う光景が目の前で繰り広げられていた。
僕たちゾンビをなんの躊躇いもなく、死神の鎌のようなもので、ばっさばっさと切り殺す風変わりな少女が居た。顔色一つ変えないとは、驚きである。
回りの仲間たちは次々にバラバラの肉塊に変えられ、残るは僕ひとりとなっていた。この頃から、僕には感情というものが芽生え始めていたのかもしれない。
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