人と化物

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 鎌を持った少女は、じりじりと僕との距離を縮める。初めて感じる感覚。仲間たちが一瞬で一掃され、恐怖という感覚を覚えたのだ。  僕はこの場から逃げようと考えた。だが、生憎ゾンビなので、走ることも儘ならない。ならば、戦うか?  否、戦ったとしても結果は見えてる。最早、打つ手はいのか・・・・・・。  そんなときである、歩み寄って来る少女が僕に言葉を投げ掛けたのは。 「おい、そこのゾンビ」  僕のことをいってるのだろう。だが、喋りかけられても無駄だ。ゾンビには言語機能がないのだから。  そのことに気づいたようで、こんなことを呟く少女。 「・・・・・・お、そうかそうか。ゾンビは喋れなかったんだな。じゃあ・・・・・・」  と言って、少女は提げているちいさな鞄から、大きさや質量を無視した巨大な本を取り出した。  そして、妙な呪文を唱えだした。すると、本がひとりで開いたのだ。
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