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足音は段々大きくなる。つまり、誰かがこの部屋に近づいてきている。
一体誰が・・・?
まあでも、敵である可能性はあるな。見ず知らずの俺を助けてくれたにしても、こんな服を着て・・・
「あれ??」
・・・・
着てない・・・?
今日着ていたア○ィダスのTシャツは!?
今着ているのは、剣道の胴着と袴みたいな、時代劇でよく見る着物。
いつの間に着替えさせられた?
っ!?っていうことは・・・
玲人は股の間に手を突っ込んだ。
やっぱり!
パンツはいてねぇー―――!!
どおりですーすーすると思ったんだよ!
そうこうしている間にも、足音はどんどんと近づいて来る。そして、予想通りこの部屋の前で止まった。
え?
障子に開いた穴から見える姿は、玲人が想像していた姿とは掛け離れていた。
ごつい体つきではなく、逆に細くすらっとした体。
着ている服も、どちらかと言えば女物。
見る限り、帯刀はしていない。
それに、こちらを覗き込んでいる目。その目をじっと見ていると引き込まれそうだ。
玲人がただじっとその目を凝視していると、その目の持ち主は障子を開け、室内に入ってきた。
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