第一幕  1593年

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足音は段々大きくなる。つまり、誰かがこの部屋に近づいてきている。 一体誰が・・・? まあでも、敵である可能性はあるな。見ず知らずの俺を助けてくれたにしても、こんな服を着て・・・ 「あれ??」 ・・・・ 着てない・・・? 今日着ていたア○ィダスのTシャツは!? 今着ているのは、剣道の胴着と袴みたいな、時代劇でよく見る着物。 いつの間に着替えさせられた? っ!?っていうことは・・・ 玲人は股の間に手を突っ込んだ。 やっぱり! パンツはいてねぇー―――!! どおりですーすーすると思ったんだよ! そうこうしている間にも、足音はどんどんと近づいて来る。そして、予想通りこの部屋の前で止まった。 え? 障子に開いた穴から見える姿は、玲人が想像していた姿とは掛け離れていた。 ごつい体つきではなく、逆に細くすらっとした体。 着ている服も、どちらかと言えば女物。 見る限り、帯刀はしていない。 それに、こちらを覗き込んでいる目。その目をじっと見ていると引き込まれそうだ。 玲人がただじっとその目を凝視していると、その目の持ち主は障子を開け、室内に入ってきた。
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