第一幕  1593年

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「わっ!!」 玲人は部屋の外に転がり落ちてしまった。 飛び掛かった角度や速さは良かったが、女性はひらりといとも容易くかわすと、ドンッ!と玲人の背中を押した。 その事により玲人は踏ん張ることができず、縁側を越えて地面に転がり落ちたのだ。 「いいかい!」 縁側の上から女性が怒鳴る。 「家らは泥棒なんだよ!泥棒からものを奪おうだなんて甘いんだよ!!」 ははぁーっ 玲人はあわててその場で正座をして頭を下げる。 わあ、まるで時代劇・・・ 「あら、やけに素直だね。もういいから顔を上げな。」 玲人は恐る恐る顔を上げた。 その女性は優しい笑顔を浮かべていた。 「よし、じゃああんたを親分のところに連れてってあげるよ。じゃあついて来な。」 「はい。」 「うちは凜(リン)って言うんだ。あんた、何て言う名だい?」 「俺は、玲人です。あの・・・ここはどこで、今は何年ですか?」 そう質問した瞬間、凜は足を止めて驚いた表情で振り返った。 しかし、すぐ ああ とつぶやいて歩再びきはじめた。 「そういやあ記憶を失っていたんだったね。ここは大坂。1593年10月21日だよ。」 「1593年!?」 うわ、安土桃山時代真っ只中じゃねぇか! ということは、豊臣秀吉が関白になって3年後。朝鮮出兵から1年後か。 ってことは、関白にも会えるのかな?ムフフフフフ... 「あんた、何笑ってるんだい?」 「あっ、いえ、なにも」アワアワ あっぶねー
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