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「わっ!!」
玲人は部屋の外に転がり落ちてしまった。
飛び掛かった角度や速さは良かったが、女性はひらりといとも容易くかわすと、ドンッ!と玲人の背中を押した。
その事により玲人は踏ん張ることができず、縁側を越えて地面に転がり落ちたのだ。
「いいかい!」
縁側の上から女性が怒鳴る。
「家らは泥棒なんだよ!泥棒からものを奪おうだなんて甘いんだよ!!」
ははぁーっ
玲人はあわててその場で正座をして頭を下げる。
わあ、まるで時代劇・・・
「あら、やけに素直だね。もういいから顔を上げな。」
玲人は恐る恐る顔を上げた。
その女性は優しい笑顔を浮かべていた。
「よし、じゃああんたを親分のところに連れてってあげるよ。じゃあついて来な。」
「はい。」
「うちは凜(リン)って言うんだ。あんた、何て言う名だい?」
「俺は、玲人です。あの・・・ここはどこで、今は何年ですか?」
そう質問した瞬間、凜は足を止めて驚いた表情で振り返った。
しかし、すぐ ああ とつぶやいて歩再びきはじめた。
「そういやあ記憶を失っていたんだったね。ここは大坂。1593年10月21日だよ。」
「1593年!?」
うわ、安土桃山時代真っ只中じゃねぇか!
ということは、豊臣秀吉が関白になって3年後。朝鮮出兵から1年後か。
ってことは、関白にも会えるのかな?ムフフフフフ...
「あんた、何笑ってるんだい?」
「あっ、いえ、なにも」アワアワ
あっぶねー
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