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一気に頭が真っ白になる俺。
ショック・・・この英語はまだこの時代では使われていなかったんだ!
使われていたとしてもこんなところに住んでいる人達は知るはずが無い。ましてや、山の中で気を失い、更に記憶喪失に陥っている10代なら尚更だ・・・。
額から嫌な汗が流れ出して来るのを感じる。口がカラカラに渇いてきた。
なんとかしてやり過ごさないと・・・。
「えっ、と・・・ショックは衝撃という意味です。あの、小さい頃から英語を習っていたので、時々・・・使ってしまうんですよ!」
なんとかして声を絞り出し、そう応えた。
しかし、 ゙親分″の顔からは怪訝そうな表情は消えず、逆に一層厳しくなった。
「おかしいな。おめぇは記憶をほとんど失っていたんだろ?ならなぜ小さい頃のことを覚えているんだ?」
「なっ!?」
「それに、時々使ってしまうという英語とやらも、なぜ覚えている?」
一気に玲人は顔面蒼白、頭の中が真っ白になってしまった。嫌な汗がダラダラととめどなく流れ落ちる。着物も汗でびしょびしょ。
墓穴を掘ってしまった・・・!!
玲人はその場に崩れ落ちた。
「もう嘘は付けねぇだろ。本当のことを話したらどうだ?」
゙親分″が低く唸るような声で迫る。
話すしか無いのか、くそぉ・・・。
「話しますよ・・・」
「ん?」
「話しますよ、話しゃあいいんでしょう!でも、どうせバカにするでしょ。だから話したくなかったんだよ!」
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