第一幕  1593年

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「泥棒!?」 俺が・・・? いや、そんなのありえない。 俺の父さんは警察官だ! 悪人に立ち向かい、必ず逮捕する父の背中を見て育った玲人にとって泥棒は敵。そんな奴らと行動したくない。 それに、警察官の息子が泥棒をやるなんてありえない! 「嫌です!泥棒はやりません!逮捕しますよ!」 「やらねぇ・・・だと?」 五右御門の声がいっそう低く、厳しくなる。玲人を見る目線もさらに鋭くなった。 「おめぇ、自分の置かれた状況はわかってるのか?」 「もちろんです!でも盗みなんて・・・」 「もういいっ!!」 五右御門は怒鳴り付けた。 「そんなに泥棒が嫌だと言うのならここから出て行け!」 「なっ!」 「てめぇの服は返してやる!だからさっさと出ていけ!!」 五右御門は凜から服を取り上げると、玲人の目の前に放り投げた。 玲人はその服を抱えると障子を開け、外に飛び出した。 「本当に良かったのですか?」 玲人の姿が見えなくなった後、凜が心配そうに言った。 「なぁに、あいつなら大丈夫だ。」 「本当に?」 「ああ、わしには分かる。玲人は、必ずここに帰ってくる!」
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