第二幕  山

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「あ~あ・・・」 木が鬱蒼と繁る山の中。 日は傾きかけ、オレンジ色の光があたり一体を照らす道を、玲人はただ一人とぼとぼと歩いていた。 「なんであんなこと言っちゃったのかな・・・」 確かによく考えてみれば、俺は未来からこの時代にやってきた。頼るものも無ければ、住む場所もない。つまり、独りぼっちだ。 このままでは飢え死にしてしまうのがオチ。未来へなんか帰れない。 やはり、戻って仲間に入れてもらうしかないのだろうか・・・ 「いや、そんなのは嫌だ!」 俺は警察官の息子だ! 泥棒なんかやるもんか! 玲人はただふらふらと歩いていたが、ハッと我に返る。 どこからか川の流れている音が聞こえる! よし、行ってみよう! 玲人はその音のする方へと走り出した。 その川は、すぐ近くにあった。 さほど大きくは無いが、流れは緩やかで清らかな水が流れ、さらに所々で魚が泳いでいる。 これなら飲み水や食料には困らないだろう。 「あっ!」 その川をじっと見つめていた玲人は、岩の上に落ちている物に目が止まった。 あれは・・・間違いない!
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