第二幕  山

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「ライター!」 それに近づいて拾い上げてみると、間違いなくライターだ。オイルは半分以上残っている!擦ってみたらちゃんと火が着いた! でもなんでこんな時代に? 玲人は首を傾げたが、ハッとしてズボンのポケットをまさぐった。 取り出したのは、あの日歴史資料室のテーブルの上にあった紙。 その紙には、じいちゃんがタイムワープ装置でどこかの時代に送り出した物が書かれている。 「・・・やっぱり!」 その紙の表、右上の方にしっかりと ゙ライター″と書き記されていた! あの時送り出されたライターが、まさかこの時代に来たなんて・・・ と、いうことはこの紙に書かれている物がこの時代のどこかに落ちているということになる! もしこれらを手に入れ、活用すれば、もしかしたら戻れるかもしれない。 「とにかく、火を手に入れることができたのは大きいな。・・・あ!そういえばケータイは!?」 玲人は再びズボンのポケットを探る。 よかった、無事みたいだ。 しかし、ほとんどの機能は全く使い物にならなくなっていた。 そりゃあそうだよな。この時代に基地局は無いから電話は使えない。もちろん、メールも、ネットに繋ぐこともできない。 「なんとかして連絡取れないかな・・・。」 ケータイとライターをズボンのポケットに押し込むと、上流に向かって川を辿りながら上りはじめた。
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