第二幕  山

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「はぁ、はあ・・・」 行く宛もなく川を遡っていた玲人は歩き疲れ、岩に腰掛けて休憩をとっていた。 今の時刻は分からないが、日がさらに傾き、あたりが薄暗くなっていることから察するにもうすぐ夜になる。 凜さんの話では今は10月。吹き付ける風が冷たく、風邪を引きそうなほど寒い。 今日は野宿するしかないのだが、この気温の中寝たら確実に凍死しそうだ。 どこかに風を凌げる場所は・・・ 「ん?」 あたりをキョロキョロと見渡した玲人は背の高い草に隠された洞穴を見つけた。 注意して見ないと見つけられないが、人ひとりがなんとか通れそうな大きさの口を開けていた。 これは風を凌ぐには打ってつけの場所だ! 玲人は途中で見つけた硬くて丈夫な杖(流木)を掴むとその洞穴に向かい、中に足を踏み入れた。 ライターで照らした洞穴の中は思ったよりも広く、立ってもまだ余裕があるほど天井も高い。 これは良い場所を見つけたな。 よし、しばらくはここで暮らそう! これで衣食住のうち、食と住の問題は解消された。後は衣だけど、この着物は一張羅。服を着たら完全に怪しまれるから着ないとして、しばらくはこの着物で我慢するか。 玲人は早速薪を集め、ライターで火を付けた。 ・・・やっぱパンツ履いておくか。
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