第二幕  山

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薄暗い洞穴の中で玲人は煌々と燃える焚火の前に座り、今日起こったことを思い返していた。 1593年ヘのタイムスリップ、石川五右御門との出会い。そして、洞穴での初めての野宿・・・。 どれもこれも初めて経験したことばかりで、玲人には疲労が溜まっている。 「はぁ・・・」 何であんなこと言っちゃったんだろう。 もしかしたらあの人達に頼らないとこの世では生きていけないのかもしれない。 そうだよ、あいつら泥棒だもんな。盗むことが仕事のあの人達に向かって盗みを否定することを言ってはダメなのに・・・ どうしよう・・・ 「みんな・・・」 本当に元の時代に戻ることはできるのだろうか。もしかしたら二度と戻れないのかもしれない。 つまり、もう家族のみんなにはあえないのかも。 玲人の頭に、家族のみんな、学校の友達、そして気になっているあの人の笑顔がまるで走馬灯のように現れては消えて行く。 炎をじっと見つめていると、不意に睡魔が襲ってきた。今日はものすごく疲れているから無理はないか。 玲人は土をかけて炎を消すと、寝転がってすぐに寝息を立てはじめた。 必ず元の時代に戻ってやる! どんな手を使っても、必ず!
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