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「木の棒一つで俺達に勝てるかー！」
向かって右にいる牢人が叫び、刀を振り上げて迫って来る。その顔に殺意をあらわにして。
その状況に玲人は思わず足がすくむ。しかし、ここで何もしなければ斬られて終わり。未来になんか帰ることができない。
気づいたら体が既に動いていた。
牢人に向かって走り出すと、空いている胴に向かって棒をおもいっきり叩き付ける。
「胴ォー！」
「ぐおっ！」
見事に決まったらしく、牢人はその場に崩れ落ちる。予想外のことが起こり、驚きを隠せない牢人の２人。
玲人はもう一人の牢人に向かって構えた。
「くそぉ、おのれぇ！」
もう一人の牢人は玲人にむかって刀を構え、突っ込んできた。
玲人も走り出すと、牢人の刀を向かって右に弾く。
「小手ェー！」
そして隙だらけの右手首に棒を振り下ろす。
牢人は痛みで刀から右腕を離す。
玲人は刀を持つ左手にも棒を叩き付ける。放物線を描くように牢人の左手から飛んでいく刀。
そして牢人の胸に突きを食らわせる。
「よくもやりやがったなー！！」
不意に後から響く声。
先程胴を食らわせた牢人が立ち上がり、再び刀を構えて迫ってきた。そして思い切り刀を振り下ろす。
玲人は間一髪でその刀をかわすと、木の棒を構え、牢人の顔目掛けて投げつけた。
牢人が怯んだ隙に玲人はもう一人の牢人から弾き飛ばした刀を地面から拾い上げて構えた。
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