プロローグ

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サンダルを履いて外に出ると、家の裏にあるやたらとでかい工場に向かう。 あれがじいちゃんの発明所だ。 俺のじいちゃんは、昔発明した水中でも喋れる装置が売れに売れて以来、仕事そっちのけで発明に没頭している。 しかもヘンテコな装置ばかり。 そのせいで莫大なお金が必要になる。父さんと母さんが汗水流して貯めたお金がほとんど発明代と電気代に消える。 俺と姉貴がアルバイトで稼いだお金だってそうだ。 まあ、偶然拾った宝くじで2当の5000万円が当たったから当分は平気だけどね。 発明所の入口にたどり着いた玲人は入口の隣にある゙自家製″の静脈認証装置に右手を乗せた。発明のアイデアを奪われないように付けたらしいが、誰も奪わう訳ないだろ、こんなもん。 ふう、認証完了。 鍵の開いたドアのノブを捻ってドアを開けると、広い発明所に足を踏み入れた。 薄暗いい発明所のロビーには何も置かれていない。ただ壁に゙節電″と書かれた紙が貼られているだけだ。 小さい頃ここで遊んだことが懐かしい。 さて、じじぃはどこだ? ・・・まあいい。片っ端から探すか。 物置・・・いない。 じじぃの部屋・・・あれ? 第一発明室・・・どこ? 第二発明室・・・行った? トイレ・・・見当たらない。 発明品置場・・・ガラクタばかり。 第三発明室・・・えー? ・・・ん?゙歴史資料室″? 入ってみよう。
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