プロローグ

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「ん?成功したのか?」 じいちゃんの言葉に、玲人はただ首を縦に振ることしかできなかった。とうとうじいちゃんがタイムスリップを成功させてしまった。 そのことにかなりのショックを受けた玲人はへなへなと床にへたり込む。 「がっはっはっはつ!そうかいそうかい。・・・それで、玲人。何故ここに来たんじゃ?」 「あ・・・」 そうだった! タイムワープ装置に気を取られすっかり忘れていた・・・ みんな待ってる。早くじいちゃんを連れていかないと! 「ご飯ができたからじいちゃんを呼びに来たんだよ!みんな待って・・・「飯なら食った!」 「へ・・・?」 「飯ならもう食った。ここにはキッチンもあるからな。自分でやって食ったわい!」 じいちゃんは「んがっはっはっはつ」って笑ってる。何だよもー、せっかく呼びに来たっていうのに。 ってことは、みんなまだじいちゃんを待ってて食ってないのかな?早く戻ろう! 玲人は歴史資料室を抜け出すと、キッチンへ走って戻った。 「もう食べたよ。」 「んぁ!?」 なん・・・だと・・・ 「あんたがあまりにも遅いからみんなで先食べちゃったよ。あんたの分残してあるからそれ食べなさい。」 なんだよ、ちくしょー! 骨折り損のくたびれ儲けじゃねぇかよ・・・ 玲人は渋々キッチンに戻り、残された夕食の生姜焼きを頬張った。 「・・・うまい。」
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