プロローグ

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はぁ・・・ ひどいや母さん。 夕食を食べ終わり、自分の部屋に戻ろうとしたが、母さんに捕まえられ皿洗いをさせられてしまった。 しかもそのあとの米磨ぎやゴミ出しまで゙ついでに″やらされてしまったのだ。 確かに夕食を食うのは遅かったけど、だからといってゴミ出しまでさせるなんてひど過ぎやしないか!? おかげで日本史の課題に費やすはずだった体力を持ってかれちまった。今はものすごく眠い。 でもやらなきゃ。サボりにサボった結果、提出日は明日。しかも発表までしなきゃいけないから何としてでも仕上げないと。 今玲人がレポート用紙と筆記用具を持って向かっているのは、あの歴史資料室。あれだけの本があればレポート用紙1枚書くのは容易いはずだ。 まあ織田信長あたりを書けばいっか。 テキトーに。 じいちゃんの発明所に入ると、歴史資料室に向かって薄暗い廊下を真っすぐ歩いていく。 確かこの突き当たりを左に・・・ あれ、右だっけ? 玲人はまるで迷路のような廊下を通って、何とか歴史資料室にたどり着くことができた。 レポート用紙をテーブルの上に置くときに、そのテーブルの上に無造作に置かれた一枚の紙に目が留まった。 「なんだこれ?」 その紙には、いろんな物品の名前がびっしりと書き記されていた。 なになに・・・? 通信機に、人形に電子辞書!?それにじいちゃんの発明したガラクタもちらほら・・・。 まあ、俺には関係ないや。 玲人はその紙を無意識のうちにズボンのポケットに捩込むと、織田信長について書かれた本を探しはじめた。
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