10月のお題。

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「全部酷い」 サラっとクラスメートの一人はつっこむ。 「さぁ、選べ」 すました顔で郷は言う。 「コイツ、やっぱやばいもんキメてるんじゃないか……」 ビビりまくってる不良は郷を変な目で見ている。 「素だろ」 「素だな」 クラスメート達は口々に言う。 「間違いなく素よね」 莉子もコクリと頷く。 「こうしよう」 どかっ。 何と郷の頭突きが炸裂した! 「ぐはっ!」 ぶしゅー。 頭突きを喰らった不良はひっくり返った。 「頭突き!?」 「意外と地味っ!」 クラスメート達から様々なつっこみがくる。 「選択権なしね」 そういって莉子は静かに手を合わせた。 「よし、片付いたっと」 手をパタパタと払い郷は大きく深呼吸した。 パチパチ パチパチ クラス中から拍手が巻き起こる。 「何故拍手?」 意味がわからず郷は首を傾げた。 「ありがとう。 これで平和になった」 皆、郷に感謝している。 まるでヒーローになったようだ。
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