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「何ですって!」
郷の言葉に莉子は怒りをあらわにする。
「フッ」
郷は鼻で笑いテクテクと逃げる。
「むっかぁ~。
お待ち!」
郷の態度に腹を立て莉子は追い掛ける。
「んべ」
逃げながら莉子にあっかんべぇをする。
「しめる!」
更に莉子の怒りは上昇する。
ドタバタ
ドタバタ
「また始まった」
「さっきの台なし」
「せっかく恋愛に発展するかもと思ったのに」
追っ掛けっ子をする二人をみてクラスメート達はため息をつく。
「コラ!
何暴れてる!」
やっぱりタイミングよく現れる担任。
「げ!
先生!」
担任の登場にクラスメート達はしんとなる。
「外に三人転げてるから中に入って見れば……。
文化祭は授業の一環だと言ったろ?」
眉間にシワを寄せ担任は小言を言う。
「外の三人はオブジェです。
ボランティアでわざと転げてるんです」
すました顔で郷は無茶苦茶な説明をする。
「(うわっ。
無理矢理こじつけた)」
莉子は心の中で静かにつっこんだ。
「まぁ、とにかく悪ふざけも程々にな」
そう言って担任は頭をかいた。
「(悪ふざけってレベルでもないけどな)」
クラスメート達は複雑な顔をしている。
「はぁ~い」
いい子な返事をして莉子は誤魔化した。
莉子の返事を聞き担任は教室を後にした。
「……さっきの俺の言葉でうやむやになっただろう」
ふぅっとため息をついて郷は言う。
「なってねぇよ!」
思わずツッコミを入れるクラスメート達。
何だかんだで楽しい文化祭になった。
郷と莉子は発展しないままのようである。
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