10月のお題。

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「…………」 莉子の言葉を聞いて郷は黙って何かを考えている。 「何か不満なの?」 複雑な顔をしている郷に莉子は尋ねた。 「……これにプラスしてみよう」 郷の眼鏡がギラリと怪しく光る。 「プラスぅ?」 意味がわからず莉子は首を傾げる。 ざわざわ……。 ざわざわ……。 郷の不可解な言動にクラスメート達は再びざわめき始めた。 『メイドお化け喫茶。』 チョークを手に取り、無言でさらさらと書いた。 眼鏡の奥の鋭い瞳だけがクラスメート達をみている。 「メイド。 つまり、『冥土』」 説明臭く郷は言う。 「流石だな」 「秀才は違うな」 郷の意見にクラスメート達はノリノリである。 「怖いけど……。 やってみましょうか!」 ノリのいい莉子は郷の意見に賛成する。 「おー!」 出し物が決まり、クラスメート達はテンションが上がる。 「みんな、冥土のメイドだからな。 ふふふ……」 シャレのつもりかさりげなく喋ると郷は不気味に笑った。 どよどよ……。 どよどよ……。 郷の不気味な笑いにクラスメート達のテンションは一気にクールダウンしてしまった。
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