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「…………」
莉子の言葉を聞いて郷は黙って何かを考えている。
「何か不満なの?」
複雑な顔をしている郷に莉子は尋ねた。
「……これにプラスしてみよう」
郷の眼鏡がギラリと怪しく光る。
「プラスぅ?」
意味がわからず莉子は首を傾げる。
ざわざわ……。
ざわざわ……。
郷の不可解な言動にクラスメート達は再びざわめき始めた。
『メイドお化け喫茶。』
チョークを手に取り、無言でさらさらと書いた。
眼鏡の奥の鋭い瞳だけがクラスメート達をみている。
「メイド。
つまり、『冥土』」
説明臭く郷は言う。
「流石だな」
「秀才は違うな」
郷の意見にクラスメート達はノリノリである。
「怖いけど……。
やってみましょうか!」
ノリのいい莉子は郷の意見に賛成する。
「おー!」
出し物が決まり、クラスメート達はテンションが上がる。
「みんな、冥土のメイドだからな。
ふふふ……」
シャレのつもりかさりげなく喋ると郷は不気味に笑った。
どよどよ……。
どよどよ……。
郷の不気味な笑いにクラスメート達のテンションは一気にクールダウンしてしまった。
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