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「は、腹減ったぁ…。」
とある栄えた街で…マント姿の男が腹に手をやり、歩いていた。
その隣で…
「一ちゃん!」
「あぁ?」
力のない男の声とは対称的に元気な少女の声がする。
「ダメだよ、元気にいかないと。病、腋からって言うじゃない!」
「病は気からだろ!そんなベタなボケをするな、カロリーの無駄だろうが!」
少女の言葉に男は全力でツッコんだ。
「フェニックス号もなくなっちゃったし…いろいろめんどくさいよー。」
「今更うるさいぞ!フェニックスは俺達の血となり肉となったんだ。」
フェニックス号とは…彼らが数日前に乗っていた自転車2台の事だが…あまりの空腹のため、売ってお金にしたのだ。
「でもー…」
「うるさい!」
少女の論議を力で諌め、2人は歩き続けた。
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