魔王さんと暮らそう

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「本当に終わってる・・・」 「だから言ったじゃないッスかwww」 「私は一体・・・」 「まぁまぁ、俺と遊んでくれれば帰すってwwww」 バハムートはヘラヘラと笑いながら執務室に備え付けられたソファーに腰を下ろす。 「さぁ、ギル。飯を持って来い。」 「でもあんた、部屋から出たわね?」 「な、軟禁は道徳的にアウトだと思「あんたがやった事は法律的にアウトよ!」 ギルがにこりと笑いながら鍵の束を見せ、「拷問部屋」と一言告げるとバハムートはアイシャの背中に隠れる。 「あのバカを止めてくれ、お嬢さん!俺、殺されちゃう!!」 「私を今すぐ帰してくれると約束してくださるのなら助けますが?」 アイシャは弱みを最大限に利用しようとバハムートにそう提案する。 「人間界の扉開けれるの俺だけだから俺が死んだらお嬢さん帰れなくなるよ?」 「やめてください、ギルさん!」 利用されたのはアイシャの方だった。 「はぁ・・・バハムート、この女性も以前と同じ?」 「おいおい、嫉妬かよギルwww」 「どうしてこの私がオプスキュリアごときに嫉妬するのよ!」 ギルのハイキックによりバハムートの首が壁に突き刺さった。 今の一撃でも分かる通り魔族は人間よりも遥かにあらゆる面で強く、あらゆる面で勝っている。 アイシャはそんな魔族の力を目の当たりにして恐怖すら覚えていた。 「まぁ、暇な時は人を攫ってくるのが一番楽しいってのは事実だなwww」 「あの・・・以前にもこんなことを?」 「常習犯よ。 自分好みの女を攫って来ては夜の相手をさせて飽きたら帰す・・・本当に最低な野郎だわ。」 アイシャはその話を聞いて自分の肩に手を回している最低な男のその手を払い除ける。 「おいおい、今の話聞いてなかったのか?絶対に帰すって言ってるようなもんじゃないか。」 「そういう問題ではありません!」 アイシャは力強く言い放つと、バハムートから離れた。
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