魔王さんと暮らそう

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「そんなに帰りたいかねぇ・・・? 仕方ないか・・・いいよ。この城の書庫に人間界の扉を開く本がある。それを見つけて魔法陣のあるページを開くと人間界へ帰れる。 人間界へ帰った後は魔道士にでも魔術師にでも転移してもらって城まで帰ればいい。」 「その本を見つけられたら帰れるんですね?」 「魔王サン嘘吐カナイネ。」 「どうして片言なのかツッコむべきですか?」 「いや。書庫はこの部屋を出て右の突き当たりをもう一度右に行った扉だ。」 アイシャはその言葉を聞いた途端に扉を開け放ち、怒りながら書庫へと向かった。 「バハムート。」 「うん?」 「書庫に行くまでに城の者があの女に気付かないとでも? 仮に無事書庫に着いたところであそこには・・・」 「暇潰しには持って来いの余興だろ? 飯の用意をしておけ。」 バハムートは「くっく」と笑ってゆっくりと自分の歩幅でアイシャを追って行った。 「さてと・・・ランチがディナーになるかしらね?まぁ、一応魔王様の命令だし、どちらにせよ準備だけはしておこうかしら。」 ギルはそう一人零すとバハムートの執務室から出て、アイシャとバハムートとは逆の方向へ歩き出した。
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