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「おぉ、アイシャ・・・お前は何と美しいのか。
朕の妻に相応しき美しさよ!」
「国王様と結婚できて私も光栄でございます。」
先日結婚したギルア国の国王セム=リヴィテッヒは57歳、妻アイシャは24歳で所謂年の差婚である。
ちなみにセム王が結婚を決めた理由はアイシャに一目惚れしたからだとか。
アイシャはというと国王からの求婚を断る術も無く、恋人との離別を余儀なくされたのだった。
「アイシャ・・・今夜は朕との初めての夜であるな。」
「国王様ったら・・・」
アイシャは困ったような笑顔で話を逸らすが、セム王のゴリラのように太い腕を腰に回され、その豚のように肥えた体がアイシャの体と密着し毛むくじゃらの顔から不快な鼻息がアイシャの美しい顔と銀髪にかかる。
「アイシャよ、朕の何処を愛している?」
「全てです。国王様。」
答えは一択しかなかった。
もし他の答えを出したならば即刻打ち首か、あるいは体の弱った母への支援が打ち切られるのは目に見えていたのだから。
「ハッハッハ!気に入ったぞアイシャ。今夜と言わず今からでもよいな。」
「民が汗をかいて働いている時間にそのようなこと・・・」
「よいではないか。朕は国王だ。そのくらいは許される。」
アイシャは表情こそ変えなかったが、心情ではセム王に対して憤りを隠せなかった。
「暇だ・・・ってことでこの女攫うわwwwwwwwww」
突如として異形の姿をした男・・・頭のサイズにあった山羊のような巻き角の生えた男が現れ、アイシャは一瞬のうちにその男の腕の中にいた。
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