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「・・・・・・」
「怒ってる?」
「何がです?」
バハムートはアイシャから離れ、ギルが出て行く前と同じように机に向かい、書類に判を押し始めた。
「あの・・・」
「ん?」
「どうして私を攫ったんですか?」
「この作業に飽きたから。」
バハムートの答えが自分を弄んでいると感じたのか、アイシャはバハムートが作業している机を両手で叩く。
「早速遊びたいの?もう少しむくれて遊んでくれそうにないと思ったんだけどもねぇ?」
バハムートがニコニコと話しかけるとアイシャは堰を切ったかのように次々と喋り始める。
「急に何なんですかあなたは!作業に飽きたから私を攫った?私は国王と結婚して恋人と別れさせられて傷心したままあのような人と一緒になったショックから立ち直れていないというのにそんなおふざけに付き合っていられません。戯れるのなら他の女性でもよかったでしょうに、選りにも選って私なんかを・・・分かったらさっさと私を元の場所に帰してください。」
「渡鬼ばりの長台詞乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
しかしまぁ、意外と喋るんだね君。
それで?言いたいことはそれだけ?」
バハムートはさっきのアイシャのガトリング銃のような言葉をまるで作業用BGMにでもしていたかのように書類の山を全て片付けてしまっていた。
「いやぁ、同じことしてると少しの変化でも楽しめるんだね。ありがとう、お嬢さん。おかげで仕事が終わったよ。」
バハムートは一旦大きく伸びをして執務室の扉を開ける。
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