1434人が本棚に入れています
本棚に追加
side アキ
「ハル。
今日は私午後から部活だから、朝食食べたら帰るね。
すごく楽しかった……。
今度はぜひ、ウチに遊びに来てよ?」
真崎さんがサラダボウルから、サラダをよそいながらハルに話しかけた。
シュウが「あ、オレのもお願い」と自分のお皿を真崎さんへと手渡し、親しげに笑いかけている。
そんな2人をチラリと横目に、黙々とオレは食事を進めた。
4人で分担してトーストと野菜サラダ、目玉焼きとコンソメスープを作って、食事を囲んでいる。
やっぱりハルの作るコンソメスープは美味いな……なんて思いながら、オレはスープを啜った。
「あー!
うん。ぜひぜひ!遊びに行きたいっ」
ハルが無邪気に笑って答える。
「……じゃ、ハル。
朝食を済ませたら、オレ達も出掛けよう」
「あ……うん。
分かった」
ぎこちなくて、どこか遠慮がちな、ハルの声音。
多分、ハルはまだオレの機嫌が悪いと思って、警戒してるんだと思う。
馬鹿だなぁ。
オレは機嫌悪くないし。
ただ、やっぱりショックだったけど、な。
起き抜けの「うぇー?何で?何で、アキがココにいるのぉー?」という……ハルの絶叫。
ハルは寝ぼけてるんだろうな……とは思ったけど、ショックだったし、そして正直な所……ムッとした。
『一緒に居ちゃ駄目なのかよ?』
という事で、ハル。
ハルにはちょっと、灸を据えとかないとな。
今晩も隙間なく……ピッタリとくっついて眠って、そして次に「何でココにいるの?」なんて言おうものなら、そのカワイイ唇を塞いでやる。
オレは心の中で『あぁ。なかなか良い計画だな』と。
そう、ほくそ笑みながら、今日はハルと何をして過ごそうかなぁ……と、頭の中考えを巡らせた。
最初のコメントを投稿しよう!