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食後、片付けを早々に済ませた後。
外出の準備を進めた。
ちなみにシュウと真崎さんと、同時に家を出る事にしている。
「じゃ、ハル。また学校で、ね。
今度はウチでお泊り会しようね、絶対」
「うん。絶対だよ!じゃあ、ね」
仲の良い2人の姿に、自然と自分の表情が綻ぶのがわかる。オレ達男同士では、あんな風には絶対にいかないから、な。
「じゃ、アキ。
ハルの事よろしくな?」
「了解」
シュウと短く挨拶した後、オレ達はそれぞれの目的地へと歩き出した。
ーーーーー
オレの自宅に着いた後、ハルの「今日は何しよっか?」の言葉に、少し考えた。
本当ならハルと2人で部屋で勉強するも良し、映画鑑賞するも良しとか考えていたけど。
「何する?」ってそう改めて聞かれたら、ハルを抱きしめて、それから腕の中に閉じ込めて、抱き潰してしまいたいと。
そんな、邪な考えばかりが浮かんでくる。
今朝のハルの一言が、オレのS心を擽(くすぐ)って灸を据える事で頭が一杯なのか、それとも単純にオレがハルを欲しているのか。
とにかく少し落ち着けよ……と。
逸る自分自身の気持ちに苦笑した。
そうか。
最近は、相楽恭平に振り回されたり、体育祭の準備で忙しかったからな。
だけど、来週からは『西陵祭』の準備でさらに慌ただしくなる。
……悪いけど、夜は離さないよ?
「とりあえず、今日は少し体を動かしたいな。
ハルにはちょっと退屈させてしまうかもしれないけど、トレーニングセンターに付き合って欲しい」
「あ、いいね。
私もここ最近食べ過ぎだから、体動かしたいなって思ってたの。
このままじゃ、晶子さんに怒られちゃうよ」
ちなみに『晶子さん』っていうのは、オレの母親の事で。
ハルは、母さんの勤める会社が抱えるそのブランドの専属モデルとして、来年からデビューする事が決まっている。
「じゃ、決定だな」
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