本編

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居留守を使おう。 真っ暗な廊下を音を立てないように玄関の方に歩く。 「ピンポーン」 まだチャイムは鳴っている。 玄関を目の前にして、途中の右手にある階段を静かに上がる。 電気は消すと、いることがバレるだろうからつけたままにした。 いつの間にかチャイムは鳴り止んでいた。 諦めて帰ったようだ。 部屋に入り、開けっ放しにしていたドアを閉める。 「……?」 部屋の様子がさっきと違う気がする! ベッドの枕元に置いていたはずのタヌキのぬいぐるみが、勉強机の上に立った状態で置かれていたのだ。 「嘘でしょ……」
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