涙の温度

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涙の温度

「ごめん……、亜希、ごめんね……」 私の頬に落ちた彼女の涙は、 私の心に、深く、深く浸透した。 「本当に、ごめん……」 身体に重なる彼女の体温が、今日はやけに冷たく感じる。 涙は出ない。 私の頬を伝うのは、彼女が落とした冷たい涙だけだった。
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