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「紗耶……」
それから何度唇を重ねても心が満たされる事はなかった。
最初はただされるだけだったキスも、最近は慣れて、綾音さんの呼吸を乱すぐらい上手くなった。
「ん……。好き……、綾音さん……」
上擦る声を綾音さんの耳元で聞かせ、誘う。
綾音さんが抱いてくれさえすれば、心に残るどうしようもない寂しさが消えると思った。
だから、必死で。
「お願い、抱いて……。私、もう……」
その言葉に反応したように、綾音さんは私をベッドに押し倒した。
私の首元に顔をうずめ、熱い吐息で首筋に触れながら囁く。
「……キス、上手くなったね」
耳に唇を這わせながら、綾音さんは身体を押し付けてきた。
「紗耶……、いいよ。もっと教えてあげる……」
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