First...

15/18
1458人が本棚に入れています
本棚に追加
/629ページ
「紗耶……」 それから何度唇を重ねても心が満たされる事はなかった。 最初はただされるだけだったキスも、最近は慣れて、綾音さんの呼吸を乱すぐらい上手くなった。 「ん……。好き……、綾音さん……」 上擦る声を綾音さんの耳元で聞かせ、誘う。 綾音さんが抱いてくれさえすれば、心に残るどうしようもない寂しさが消えると思った。 だから、必死で。 「お願い、抱いて……。私、もう……」 その言葉に反応したように、綾音さんは私をベッドに押し倒した。 私の首元に顔をうずめ、熱い吐息で首筋に触れながら囁く。 「……キス、上手くなったね」 耳に唇を這わせながら、綾音さんは身体を押し付けてきた。 「紗耶……、いいよ。もっと教えてあげる……」
/629ページ

最初のコメントを投稿しよう!