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「全部……奪ってください」
「無理。私……男じゃないし」
「そんなの構わないです。綾音さんが好きだから……」
「ダメ。私にはできない」
「……じゃあ、なんでキスするんですか? 私の事、好きだからじゃないんですか?」
「好きだよ……。好きな人に不幸になって欲しくないじゃない……」
綾音さんが初めて見せた私への涙は、すごく綺麗で、すごく悲しそうな涙だった。
私はただ、黙って綾音さんの腕に抱きしめられる事しかできなかった。
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