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帰りの車の中、店長は無口だった。
仕事中はわからなかったけど、笑ったり黙ったり、起伏が激しくて不安定。
このまま店長を一人で帰すのが心配になった。
「店長、……大丈夫ですか?」
「ん?」
「なんか、消えちゃいそうです」
「……え、そう?」
「行っていいですか? 店長の家。心配なんで」
「でも、遅くなるとご両親が心配するでしょ?」
「私は大丈夫です。しょっちゅう友達の家泊まったりするし」
「彼氏じゃなくて?」
「い、いませんからっ! ……とにかく連れてって下さい。店長の家まで降りませんよ!」
半ば強引に店長を諭すと、店長はそのまま私の知らない道を走り始めた。
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