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初めて入った店長の部屋は、ゴチャゴチャした私の部屋と違って片付いたシンプルな部屋だった。
全体的に淡い色合いで、フワフワした雰囲気の店長にピッタリだと思った。
「……もう、いいかな」
「え?」
「昨日別れたの。……ていうか、別れて欲しいって言われた。好きな人ができたんだって。……前から気付いてたけどね」
「……ホントに、最近なんですね」
店長は、その場でポロポロと泣き始めた。
「結婚しようって、言ってくれたのに……」
「…………」
泣き崩れる店長に掛ける言葉は見付からなかった。
店長の心を軽くする為の言葉を掛けるには、今の私では経験が足りない。
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